2008年 02月 11日
Natalie Dessay
|
Date: 2008-2008-02-12
Hall: Deutsche Oper Berlin
Opera Info: Deutsche Oper Berlin, Natalie Dessay
Rating: ★★★★☆
僕にとっては、オペラ歌手のリサイタルを観るのは今回が初めて。カメラと新しく購入したオペラグラスを持って行ってきた。
ちょうど人生の一大事とも言えるとても大事な仕事の準備をしていて、さらにベルリン映画祭の方も同時進行なので(笑)、今とんでもなく忙しいのだが、それでも行って本当に良かった!!!と思わせてくれる、素晴らしいステージだった。
彼女の第1印象は、ものすごく表情豊かに歌う人。曲が始まるとガラッと表情が変わる。楽しい歌は本当に楽しそうに、悲しい歌は本当に悲しそうに、まさに七変化である。大きな目ですべてを語る、そんな勢いで歌っていた。(その表情をずっとオペラグラス越しに眺めることができた。オペラグラス、大活躍!)
そしてとても茶目っ気のある人だった。表情豊かなのも、オペラ歌手という職業から連想されるようなボリュームのある体系では全くないのに(というか、とてもスリム)舞台であれだけ人を惹き付けてしまうのも、この性格から来てるものなのかな、なんて思ってしまった。
まず最初に舞台に登場したら、なんと、口の中にのど飴(?)を入れたまま登場してしまったらしく、「あちゃ!」みたいな顔をしながら口からアメを出して下に置き、ゴホン!と咳払いをしたあと、「ハイ、もう大丈夫!」というリアクションをして、コンサートが始まった。
この咳払いが「コホン」ではなく「ゴホン!」だったので、あれれ、のどの調子、大丈夫なのかな?なんて、ちょっと不安になったのだが、歌が始まったらそんなのをすっかり忘れさせてくれた。(しかし、あとでハプニングが!)
前半はフランス語の歌。(プログラムはこちら。ただし前半と後半が逆になっています。)
マノンもハムレットもすごく有名だと思うけど、僕は聴いたことがなかったモノばかり。それに対して後半のイタリア語の曲の方は、先日買ったCDに入っているものだったので、とても楽しめた。(プログラムが逆になってラッキーだったかも。)
特に最後の La Traviata 、本当に素晴らしかった!!!
…のだが、ここでハプニング。一番最後の最後、一番高くなるところのちょっと手前で、彼女の声が一瞬止まったのだ。(最後の一番高いところは歌ってくれた。)やっぱり絶好調ではなかったのだろうか。それまではバリバリ歌ってたので、ちょっとビックリ。
そしてアンコールで歌ったてふてふ夫人は、素人の僕から見ても明らかに苦しそう。やっぱりあれだけ高い声を連発してアリアばっかりを歌うのって、体力的にも相当大変なんだなと思う。
それでも、観客は総立ちで拍手。僕ももちろん精一杯の拍手を贈った。もしかしたら本調子ではなかったのかもしれないけど、それでもそれを感じさせないくらい精一杯歌ってくれたことがとても嬉しかったからだ。アンコールを聴いたあとでは、もう一回歌ってくれ、なんて頼めないよ、と思いながらも、しばらく観客の拍手にあわせて拍手をしたり、何度も何度も戻ってくるナタリーさんと指揮者をカメラに収めたりしていた。
でも観客たちはいつまで経っても拍手をやめない。あれだけ辛そうだったのに、まだやらせるつもりなの?と、ちょっと心配になる。
すると、彼女が、もう一度出てきた!そして流暢なドイツ語で「(前に上手く歌えなかったから、みたいなことを言ってたんだと思う)もう一回やりたい!」といって、もう一度、La Traviata を歌ってくれた。最後の歌わなかった部分はまた歌わなかった。多分そこは無理だったんだろう。それでも、それ以外は本当に見事に歌いきってくれた。
実は、1度目のアンコールのあと、彼女の表情が明らかに不満そうだったのだ。ちょっと微笑んで入るけど、明らかに悔しそう。多分、納得がいっていなかったのではないだろうか。しかし、2度目の La Traviata のあとには満面の笑み。彼女のプロフェッショナリズムにものすごく感動した。
コンサートのあとは、サインを頂いた。ものすごい人数の行列ができていたにもかかわらず、ひたすらサインし続ける。人気あるのって、ホントに大変。
なんか、またオペラをもっと観てみたい、と思わせてくれる、そんなコンサートだった。
上が1度目のアンコールの後、下が2度目の後。表情の違い、なんとなく分かるでしょうか?
Hall: Deutsche Oper Berlin
Opera Info: Deutsche Oper Berlin, Natalie Dessay
Rating: ★★★★☆
僕にとっては、オペラ歌手のリサイタルを観るのは今回が初めて。カメラと新しく購入したオペラグラスを持って行ってきた。
ちょうど人生の一大事とも言えるとても大事な仕事の準備をしていて、さらにベルリン映画祭の方も同時進行なので(笑)、今とんでもなく忙しいのだが、それでも行って本当に良かった!!!と思わせてくれる、素晴らしいステージだった。
彼女の第1印象は、ものすごく表情豊かに歌う人。曲が始まるとガラッと表情が変わる。楽しい歌は本当に楽しそうに、悲しい歌は本当に悲しそうに、まさに七変化である。大きな目ですべてを語る、そんな勢いで歌っていた。(その表情をずっとオペラグラス越しに眺めることができた。オペラグラス、大活躍!)
そしてとても茶目っ気のある人だった。表情豊かなのも、オペラ歌手という職業から連想されるようなボリュームのある体系では全くないのに(というか、とてもスリム)舞台であれだけ人を惹き付けてしまうのも、この性格から来てるものなのかな、なんて思ってしまった。
まず最初に舞台に登場したら、なんと、口の中にのど飴(?)を入れたまま登場してしまったらしく、「あちゃ!」みたいな顔をしながら口からアメを出して下に置き、ゴホン!と咳払いをしたあと、「ハイ、もう大丈夫!」というリアクションをして、コンサートが始まった。
この咳払いが「コホン」ではなく「ゴホン!」だったので、あれれ、のどの調子、大丈夫なのかな?なんて、ちょっと不安になったのだが、歌が始まったらそんなのをすっかり忘れさせてくれた。(しかし、あとでハプニングが!)
前半はフランス語の歌。(プログラムはこちら。ただし前半と後半が逆になっています。)
マノンもハムレットもすごく有名だと思うけど、僕は聴いたことがなかったモノばかり。それに対して後半のイタリア語の曲の方は、先日買ったCDに入っているものだったので、とても楽しめた。(プログラムが逆になってラッキーだったかも。)
特に最後の La Traviata 、本当に素晴らしかった!!!
…のだが、ここでハプニング。一番最後の最後、一番高くなるところのちょっと手前で、彼女の声が一瞬止まったのだ。(最後の一番高いところは歌ってくれた。)やっぱり絶好調ではなかったのだろうか。それまではバリバリ歌ってたので、ちょっとビックリ。
そしてアンコールで歌ったてふてふ夫人は、素人の僕から見ても明らかに苦しそう。やっぱりあれだけ高い声を連発してアリアばっかりを歌うのって、体力的にも相当大変なんだなと思う。
それでも、観客は総立ちで拍手。僕ももちろん精一杯の拍手を贈った。もしかしたら本調子ではなかったのかもしれないけど、それでもそれを感じさせないくらい精一杯歌ってくれたことがとても嬉しかったからだ。アンコールを聴いたあとでは、もう一回歌ってくれ、なんて頼めないよ、と思いながらも、しばらく観客の拍手にあわせて拍手をしたり、何度も何度も戻ってくるナタリーさんと指揮者をカメラに収めたりしていた。
でも観客たちはいつまで経っても拍手をやめない。あれだけ辛そうだったのに、まだやらせるつもりなの?と、ちょっと心配になる。
すると、彼女が、もう一度出てきた!そして流暢なドイツ語で「(前に上手く歌えなかったから、みたいなことを言ってたんだと思う)もう一回やりたい!」といって、もう一度、La Traviata を歌ってくれた。最後の歌わなかった部分はまた歌わなかった。多分そこは無理だったんだろう。それでも、それ以外は本当に見事に歌いきってくれた。
実は、1度目のアンコールのあと、彼女の表情が明らかに不満そうだったのだ。ちょっと微笑んで入るけど、明らかに悔しそう。多分、納得がいっていなかったのではないだろうか。しかし、2度目の La Traviata のあとには満面の笑み。彼女のプロフェッショナリズムにものすごく感動した。
コンサートのあとは、サインを頂いた。ものすごい人数の行列ができていたにもかかわらず、ひたすらサインし続ける。人気あるのって、ホントに大変。
なんか、またオペラをもっと観てみたい、と思わせてくれる、そんなコンサートだった。
上が1度目のアンコールの後、下が2度目の後。表情の違い、なんとなく分かるでしょうか?
by s_i33
| 2008-02-11 20:00
| コンサート